十角館の殺人 綾辻行人
《あらすじ》
大分県K大学・推理小説研究会の一行は、角島(つのじま)と呼ばれる無人の孤島を訪れた。彼らの目当ては半年前に凄惨な四重殺人事件が発生した通称・青屋敷跡と、島に唯一残る「十角館」と呼ばれる建物である。彼らはそんな島で1週間を過ごそうというのだ。
一方その頃、本土では、研究会のメンバーに宛てて、かつて会員であった中村千織の事故死について告発する怪文書が送りつけられていた。怪文書を受け取った1人である江南孝明は、中村千織の唯一の肉親である中村紅次郎を訪ねる。
《感想》 ネタバレなし
ただの学生達による角島への小旅行だった。男女の学生が島で共同生活とか、楽しさでいっぱいになるだろう。
しかし、朝起きて十角館のテーブル上に殺人予告のプレートが置かれてから、段々とウキウキした状態から少しずつ不安に変わっていく、あの心理状態が印象的だった。
そして第1の殺人が起きてからの、メンバー達の不安、そして周りの人間を信じられなくなっていく様子は、逃げ場のない孤島ならではの展開だった。
一方、孤島の7人とは別に本土における展開が過去の角島での出来事を明らかにしていく展開も引き込まれた。
物語が、島→本土→島→本土と順番に展開されることで、よりお互いのストーリーが重厚になっていき、過去の出来事とどのようにつながるのかと、次の展開が気になりっぱなしでした。
《最後に》
まだ読んでない人は絶対に読んでほしい!!そして、最後の”あの1行”は、人として、色々と考えさせられました。
読んで後悔なし!!!